こんにちは、電験三種合格者のたまきです。
今回は電験三種の機械科目の難易度が高いという点について
「電気に関する知識がほとんどないのに機械科目が合格できるかわからない」
「機械科目を必死に勉強しているのに点数が上がらない」
という問題を解決するための知識を私のリアルな体験談をもとに書いていきます。
「残りは機械科目だけなので確実に合格しておきたい」
「機械科目の点数を向上させるための具体的な方法を知りたい」
という人はぜひ読んでください。
目次
電験三種の機械科目の難易度について
まずは、電験三種の機械科目の難易度について、SNSや掲示板等での感想をたどるのも良いですが、
客観性に欠けるため、実際のデータを参照するのが確実です。以下にデータを掲載していきます。
4科目から比較した機械科目の難易度
まず客観的に機械科目の難易度を見るために、過去10年分の科目合格率を比較してみましょう。
西暦/合格率(%) | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|---|
2021 | 7 | 25 | 14 | 14 |
2020 | 19 | 12 | 7 | 13 |
2019 | 14 | 14 | 20 | 10 |
2018 | 12 | 18 | 14 | 7 |
2017 | 16 | 9 | 12 | 9 |
2016 | 15 | 9 | 17 | 9 |
2015 | 14 | 15 | 6 | 14 |
2014 | 13 | 16 | 10 | 12 |
2013 | 14 | 12 | 17 | 19 |
2012 | 18 | 25 | 10 | 10 |
以上の数値より、過去10年分の各科目の科目合格率の平均値を割り出すと、
- 理論科目14.20%
- 電力科目15.50%
- 機械科目12.70%
- 法規科目11.70%
以外にも法規科目のほうが機械科目よりも平均合格率は低い結果となりました。
ただし、注意すべきなのは、
機械科目の場合、少し電験三種の受験知識がある人は機械科目=難関科目という理解はしており、それ相応の対策は練った結果の数字ということです。
つまり、法規科目より少し難しい程度と思いがちですが、数字以上の難しさを感じる科目と言えます。
電験三種の機械科目の難易度の高さはどこから来るのか
- 機械科目の出題の電気機器について触れることがほとんどない
- 計算問題が主体で暗記で対応しづらい
- 機械科目の内容の奥深さによる解説の難しさ
以上が原因になっていると感じます。
まず、電気機器というのは、電気の業界で働いていれば目にすることも、触れることもあります。ただし、電気の業界から離れていると、変圧器や変電所を遠目に見るくらいで、ほとんど馴染みがないというのが正直なところではないでしょうか。
また、機械科目の難易度が高いと感じる理由は、出題される問題は、暗記ではなく計算が主体であり、暗記で覚えてそのまま得点につながるという問題が少ないことも挙げられます。
そして、機械科目の解説の難しさも関係しています。パワーエレクトロニクスの分野などはいくらでも深く踏み込むことができる分野で、電験三種の参考書の中には、明らかに2種レベルまで解説している参考書も多く見かけます。
機械科目については、電験三種レベルの知識だけでもかなり理解を要求されますから、必要以上に解説されると、理解が追いつかないので、難易度がより高いと感じてしまう原因になります。
機械科目の難易度が高く必死に勉強してもなかなか点数が上がらない
理論科目の基本的な知識から、計算能力と電気機器の構造など、電気の問題を解くために高い基礎力と深い理解が求められる科目なので、ある程度知識量が増えるまでは全く点数が伸びません。
このことも、機械科目の難易度を高く感じさせる理由の一つです。
点数の伸びというのは、モチベーションを保つ大きな要素ですし、電力科目や法規科目は、比較的、努力量にしたがって点数が伸びていきます。
しかし、機械科目については、自分の場合は、勉強してから一年以上も20点台で止まり続けました。
全く勉強していないわけではなく、1日3時間以上は毎日勉強していても、この結果ですから、他の科目と比べても、かなり難易度は高いということがいえます。
以上まとめると、
- 難しい計算問題が多く、他の科目より点数が伸びない
- 文章問題を暗記で攻めようとしても馴染みのない機器が多く構造を理解しないと解けない
- 努力に関わらず点数の伸びが悪くモチベーションを低下させる
以上の理由があるので、難易度が高いと感じる科目となっています。
点数が伸びない機械科目についての乗り切り方
勉強の記録を詳細につけることをおすすめします。
当ブログでも勉強記録をつけることでモチベーション維持に役立つということは書きました。
しかし、機械科目については実力の伸びを感じることがしばらくは難しいので、勉強の記録を読み返すことで着実に努力を積み上げていることを確認します。
具体的に
- 今日のテキストは何ページ進んだのか
- どの分野をどの程度理解できたのか
- 基本的な問題も含めて何問解けたのか
詳細を記録することで、点数が伸びないことが原因でのモチベーションダウンを防ぎます。とは言え、勉強記録はあくまでも記録なので時間を掛けすぎず、できる範囲での記録をつけるようにしてください。
勉強記録に力を入れすぎて、問題演習の時間を削りすぎるのは本末転倒です。
実際に合格するまで行ってきたこと
私たまきは、冒頭にも書いたように電験三種に合格しています。
では実際にどのようにして学習していったのか具体的に記載していきます。
体験談を書いていく前に勉強前の知識量について
私はもともと機械科目については、大の苦手意識がありました。
もちろん、あなたと同じように以下の悩みを抱えていました
- 出題される電気機器に馴染みがないのでイメージできない
- 基本的な問題すら解けない。過去問の壁が厚い
- 他の科目と比べても明らかに点数が低い
このような悩みがありました。
リアルな点数については、初期の段階で過去問の点数は20点いかないくらいで、全く合格のイメージがわかないというところから始めました。
そこから合格年度の点数は85点となりましたから、かなり点数を向上させることに成功しました。
ポイント1:応用力という言葉に惑わされない
電験三種は過去問と全く同じ問題が出ません。ただ、この全く同じ問題がでないというところに意識が向きすぎて、かなり高度な応用力が求められると勘違いしていた時期がありました。
そこで、難しい問題を集中して解いたり、試験範囲を超えた範囲についても、応用力を鍛えるため、という理屈で勉強したりと遠回りしてきました。
結論を言えば、応用力というのは、基本的な問題を何度か解いた後に点と点の知識が線となってつながることで得られる能力であり、応用力を育てるためといって、ことさら奇問を解いてみたり、出題範囲を超えた勉強は必要ないと感じました。
とても基本的なことではありますが、基本的な問題の繰り返しで、問題を自分の中で常識化する。そのうえで、
- なぜその解き方を選んだか
- なぜその公式を選んだか
- なぜ答えが導けるのか
こういった点を詰めていくことで、機械科目を攻略することができます。
今は応用力が全く無くても構いません。基本的な問題を何度も解いていけば、少しずつ難しい問題を解けるようになってきますし、解ける問題が遅くても、知識が定着すれば、知識が網目状に繋がり、あるときふと問題が解けるようになる瞬間は必ずやってきます。決して焦らずに、基本から固めていくという意識で勉強していきましょう。
ポイント2:超基本的な問題から攻めていく
機械科目を攻略するポイントは、まずは焦りすぎないことということにあります。
機械科目が難しいので、なかなか取りかかれないという人もいるでしょう。そんな方に意識してほしいのは以下のことです。
- 取り敢えず公式を徹底的に暗記してみる
- 難易度の高い問題は解けないと最初は捨てる
- 基本的すぎる問題から解いていく
このような意識で少しずつ問題を崩していくという意識で勉強すると良いです。
公式はまず、問題を解くための基本中の基本なので、暗記することを最優先に行ってください。
まず暗記することで、理解より先に公式をスラスラと言葉で言えるというレベルにします。
そして、理解はあくまでも覚えた後に少しずつやっていくということが大事です。
とにかく機械科目は難しいので、完璧な理解を先に求めてしまうとどうしても行き詰まりがちです。
もちろん理想を言えば、公式の成り立ちについて、完全に理解してから覚えるのが大事ではあります。
ただ、電験三種の機械科目については、難易度が高いため、完璧な理解という意識ではなく、取り敢えず公式を暗記してしまう。
“理解できるものから順番に理解していく。完璧主義にとらわれない”
という意識が大事です。
機械科目は理解を主体にするとなかなか前に進まないということも十分あります。
そこで、まずは理屈よりも先にとにかく公式を暗記してしまう。
その上で、理論や理屈は少しずつ理解を深めていくというやり方が良いでしょう。
ポイント3:公式についての知識を詰めていく
公式についての理解は中途半端なものではだめです。
- どうしてこの単位を使うのだろう。
- どうしてこの問題でこの公式を使うのだろう。
- どんな公式と関連しているのだろう
こういったことを詰めていくことが大事です。
ちなみに、単純な公式の暗記ということであれば、公式集を使ったり、
当ブログで紹介しているミニノート勉強法を活用すれば暗記することはできます。
ただし、暗記するだけで止まっていてはもちろん問題を解くことはできません。
他の科目以上に、公式の成り立ちについても深く勉強していく必要があります。
機械科目は理解は難しいですが、公式に関して、理屈がしっかりとしているので、理解できれば忘れにくいです。
技術基準で覚えるしか無いという法規科目よりは、機械科目の知識のほうが理解しながら覚えられるので分かりやすいです。
まとめ
電験三種の機械科目については以下のポイントを大事にしてください
- 応用力を難しく考えず基本的な問題の延長線にあると考える
- 公式を覚えることをとにかく優先する
- 公式の理解は中途半端にしないで徹底的にやる
以上のことを重視して機械科目を攻略していくことが合格へ繋がりますので、頑張って勉強していきましょう。