こんにちは、電験3種合格者のたまきです。勉強を始めた頃はいろんなブログでオススメされているまとめノートを作ることにしました。まとめノートとは、いわゆる「東大合格生のノートはかならず美しい」に代表されるようにA4等の大きめのノートで綺麗にまとめる勉強法です。
ただ、勉強を進める中で、まとめノート方式は効率が悪いことがわかり、ミニノートを使った暗記に切り替えることにしました。
電験三種に合格するためには、「まとめノート」のように綺麗なノート作りは必要ないというのが私の意見です。
目次
幾多の勉強法を調べ、たどり着いたシンプルな暗記術
電験三種の合格は、限りある時間の中で最大の効果のある勉強法を。時間は有効に使わないといけないので、暗記の結論を言うと、今から紹介するやり方がベストだと感じます。
ミニノート活用術とは、簡単に言うと、ある程度勉強を勧めた段階で、覚えきれない重要な公式などをミニノート書く暗記法のことです。
一方で他のブログではいわゆるきれいに書いた、いわゆる「まとめノート」と呼ばれる勉強法があります。
まとめノートの致命的な3つの問題点
一般的に紹介されている、綺麗に、丁寧にまとめる「まとめノート」は、以下の問題点があるのでおすすめしません。
問題点1:作るだけで満足してしまう
多くの場合、まとめノートを作るだけで満足してしまいます。まとめノートは公式以外にも、知識を分かりやすくまとめて、整理する必要があります。
まとめノートを作るだけで勉強をした気になってしまい、あまり活用しないままになってしまうというリスクがあります。
問題点2:インプットとアウトプットのバランスが悪い
電験3種の勉強ではアウトプット(問題を解く)ことが最重要です。
ただ、時間がない社会人が、貴重な時間を使ってまとめノートを作っても、一時間で2,3ページが限界。
しかも、復習することのほうが記憶を定着する上では大事なのに、インプット重視になってしまいます。知識を詰め込むことも、もちろん大事です。しかし、
記憶はアウトプット(問題を解くこと)で最も定着します。
関連記事:記憶術はなぜ理系資格で役立たずなのか?
作成そのものに時間が掛かりすぎてしまう。つまり、「インプットだけ」に、勉強時間の多くを使ってしまうのです。
これが私がまとめノート作成をおすすめしない理由の一つです。
問題点3:劣化版参考書を作ってしまうリスク
また、まとめノートをきちんと、効率良く作れる人は要領の良い人に限ります。
実際、自分が勉強法のひとつとしてまとめノートを作った際には、どこをまとめれば効率良いのかを考えることに頭を使っていました。
まとめノートを作成することで、勉強した気にはなりました。しかし、見やすさでは参考書や通信講座のテキストに叶うはずもなく。
無駄な時間を使ってしまったな、その時間で多くの問題演習ができたなと今でも思います。
問題点4:作りこむほど「手軽」ではなくなる
以下に紹介するミニノート活用法では暗記する知識をちょっとずつ書き足して行くものです。実際、仕事の休憩中や、移動中のちょっとした合間に思いついたことをササッとメモするなど、日常でも活用していました。
ただ、一般に言われるまとめノートのように
- 図や表を頻繁に使う
- 複数の色を使って丁寧に書く
- 分野ごとに体系づけて書く
このような使い方をすると手軽ではなくなります。
つまり、仕事の合間にちょっと書き込んだりできなくなるということです。複数ペンでの色分けなどは、家に帰って、まとめノートを作る時間を確保しなければなりません。そのため、自分もネットを参考に作っているときに、時間の無駄じゃないか?と思いながらまとめノートを作っていた記憶があります。
ミニノートを活用したときは、細かい色分けはもちろん、分野ごとで記載を分ける、といったこともしていません。あるページから突然電力がはじまったり、理論科目になったりします。(さすがに科目ぐらいは分けても良いでしょう)
ただ、そのくらい、丁寧に書くよりも「丁寧に書かない」ことに気を配っていました。
自己満足の勉強法になってしまっては合格できないからです。
電験三種におけるトレードオフとは?
試験は時間が限られているため、早く正確に解かなければなりません。時間を意識することが、電験三種に合格する上で非常に重要です。
時間を有効活用するために、普段の勉強においては、トレードオフという考え方が重要になってきます。
トレードオフとは、何かを達成するために別の何かを犠牲にしなければならない関係のこと。
時間をかけて見やすく分かりやすいまとめノートを作ることは非常に有効な勉強方法です。
一方で時間のない社会人にとってはまとめノートを作ることにより、デメリットが大きくなります。計算問題を解く、何度もインプットとアウトプットを繰り返し覚えるといった本来の勉強時間が少なくなるからです。
時間があるなら一般的に言うまとめノートを作ればよいのです。出題傾向を自分で分析して、概要を自己流でまとめて、参考書の無駄な文章を省き、出題される場所を探してノートにまとめるといったものです。ただ、まとめノートづくりはとにかく時間がかかりすぎます。
勉強とはトレードオフの関係にあり、時間は有限です。
ようするに、少ない勉強時間しか取れない状況では、効率の良い勉強をすることが、電験三種の合格ではとても重要だということです。
ミニノート活用術の具体的なやり方
使い方は明快で公式を書き込んでいくだけです。右上に理論・電力などの科目を書き、家で覚えられなかった・覚えにくかった公式を書いていくだけのシンプルな形式です。
ノート作成の手順
- 科目ごとの知識があいまいにならないよう科目を右上に書いて分ける
- 覚えていない公式・知識のみを書く。色分けは黒・赤・青の三色のみ
- 見やすいよう段落で分ける
以上のルールを決めてノートをさくっと作っていきました。
使ったミニノートは「コクヨ キャンパスノート B7 B罫 36枚 ノ-231BN」というノートです。
サイズは91mm × 128mmです。ポケットサイズなので、持ち運びしやすく、取り出しやすいという点でベストです。
ノート作成において意識すべきこと
また、以下の3点を意識してノートを作成していました。
- こだわらない
- きれいに書きすぎない
- 色分けは最小限度
まとめノートと違って、書き込む内容は多くないので、注意点も少ないです。3つの注意点の中でも「作り込みすぎない」ことは特に重要です。
時間が有限である以上、合格することだけに集中して、合格に必要ない作業はしない。そのためには、割り切ることが必要であり、私にとっては、ノート作成は、「ある程度」の完成度で諦めるというものです。
問題を解くことにすべての力を注ぐために、気分転換などの特別な理由がない限りノート作成に時間は使わないと決めていました。
具体的な活用方法
何も難しいことはありません。ただ単にスキマ時間に取り出して見るということです。仕事の休憩時間、移動時間。試験日が近くなると30分に一回のペースで見ていました。
何度も繰り返しますが、忘却曲線の理屈にしたがって、覚えてから間を開けないうちに復習するのが、より長く覚えるコツです。
参考リンク:エビングハウスの忘却曲線
ただ、家に帰ってから活用する必要はないでしょう。
問題演習は自宅でしかできない勉強なので最優先してください。
電験三種に合格してから、過去を振り返ると問題演習に勝つ勉強はないと感じています。
市販の公式集では駄目なのか?
市販の公式集は
- ポケットに入らないサイズが多い
- 無駄な情報が多い
- 覚えたい公式のみではない
以上の欠点があるため、自分はミニノートを中心に使っていました。
特に覚える必要がない、出題の可能性が低い公式もたくさん載っているという点が市販公式集を使わなかった理由です。
公式集を使って、覚えた公式や事柄のみを黒塗りするという方法も考えました。
しかし、マジックを使うため、全体的に汚く汚れるというデメリットがありました。また、最初から自分でまとめたほうが楽である。という理由もあり、市販の公式集は使いませんでした。
自分だけの専用ミニノート作成で覚えていない知識のみを集中して覚えることができたと感じています。
ミニノートを活用するデメリット
- 書き込めるスペースが小さい
- きれいに色分けするには向かない
- 完璧主義者には向かない
ミニノートはとにかくサイズが小さいというデメリットがあります。全てにおいて完璧な勉強というのはないので、デメリットも存在します。
几帳面な性格の人や、沢山注釈を書き込まないと気が済まないという人は向いていません。
ミニノートを活用するメリット
- ポケットに収まるサイズであるため、場所を選ばず勉強することができる。
- 細かすぎず、完璧すぎないため気軽に作成できる
- インプットとアウトプットのバランスが取れている
市販の公式集は、意外と大きいので、ポケットからはみ出るサイズも多く、取り回ししづらいという欠点があります。
ミニノートは持ち歩ることが容易なため、スキマ時間に公式・重要知識を確認するのに最適です。
逆にきれいなノートを作っていい人
効率と効果の2つから、効率的なミニノート活用法について触れてきましたが、以下の人であれば、世間一般で浸透しているまとめノート的な使い方をして良いと思います。
- 状況によって割り切れる人
- 時間がたっぷりある人
以上の人であれば、まとめノートを作っても良いでしょう。
几帳面・完璧主義な人はちょっとでも色がずれたり、段落がずれたりすると気になって勉強に手がつかなくなってしまいます。
ですが、根の性格が几帳面であっても、状況によって割り切ることができる。
時間が多くあるときは丁寧なまとめノート作りをして、時間が迫ってくるにつれて、丁寧さ、完璧さは諦めて状況に応じたノート作成ができる。
それなら、一般に言われる「まとめノート」作りを行っても良いでしょう。
結論:電験三種における暗記はまとめノートではなく、ミニノートが最強
「時間がない」という避けられない問題を解決するのであれば、合格に必要のない「作業」へのこだわりは、なるべく避けるのが重要です。
その意味で大きさも小さく、あえて作り込めないミニノートを採用して、「暗記帳」的な使い方をすることで、問題演習に最大の時間を割くことができます。
やはり最強の暗記術はミニノート学習だと改めて確信しました。