電気工事士と電験三種どちらが良いか結論

こんにちは。電験三種合格者のたまきです。

今回は電気工事士と電験三種の資格について

「電気工事士と電気主任技術者の違いがよく分からない」
「電気工事士と電験三種、どっちの資格取得を優先すればいいのか分からない」

という問題を解決するための記事を書いていきます。

「電気工事士と電験三種はどちらの資格の優先度が高いか知りたい」
「電気工事士と電験三種の資格のどちらが将来性があるか知りたい」

という人はぜひ読んでください。

電気工事士とは

電気工事士の資格について、簡単に言うと、電気を使うための設備を工事するために必要な国家資格です。

電気工事士の資格として代表的な資格は以下の二種類があります。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士

それぞれの資格の特徴・可能な工事は以下の通りです。

電気工事士の種類第一種電気工事士第二種電気工事士
自家用電気工作物について500kW未満の自家用電気工作物(ネオン工事及び非常用予備発電装置工事を除く)最大電力500Kw未満の需要設備における600V以下で使用する設備の電気工事は認定電気工事従事者認定証があれば可能
一般用電気工作物について一般用電気工作物(一般家屋、小規模商店、600V以下で受電する電気設備等) 一般用電気工作物(一般家屋、小規模商店、600V以下で受電する電気設備等)

(電気工事士 – Wikipediaより)

電験三種とは

電験三種は、電気事業法で定められている、電気保安のための責任者である電気主任技術者になるための資格です。

電気主任技術者には3つの区分があり、それぞれの資格の保守可能な設備は以下の通りです。

電気主任技術者免状の種類第一種電気主任技術者免状
第二種電気主任技術者免状第三種電気主任技術者免状
保安監督できる電気工作物すべての電気工作物170,000V未満の電気工作物50,000V未満の電気工作物(出力5,000kW以上の発電所を除く)

(電気主任技術者 – Wikipediaより)

電気工事士と電験三種のどちらが良いかを5つの視点から比較

電気工事士と電験三種のどちらが良いか比較

電気工事士と電験三種は、どちらも社会に必要不可欠な資格です。

細かい内容について両者の違いを比較してみます。

電気工事士と電験三種の仕事内容の違い

電気工事士としての代表的な業務内容として、

  • 一般家庭用のエアコンの設置、家電製品の設置
  • 工場での電気設備の点検・修理
  • 電柱等の配電線工事

点検・設置作業が主な業務になる職場が多いです。

また、電気主任技術者の代表的な業務内容として

  • 電気設備の保守
  • 受電事業所の電気設備点検・保守管理
  • 変電設備の定期点検

以上のように保守業務が主な業務になる職場が多いです。

また、電気工事士の仕事として、一般家庭など、小規模な設備が対象になる傾向にあります。

電気主任技術者としては、主に工場電気設備、ビルメンテナンスなど、大規模な設備が対象になる傾向があります。

あくまでも傾向なので、電気主任技術者でも小規模設備の求人もありますし、逆に電気工事士でも大規模設備の求人もあります。

電気工事士と電験三種の試験制度の違い

電気工事士と電験三種のそれぞれの試験制度の主な違いは以下の通り。

資格名電気工事士電験三種
一年の試験回数第一種・第二種電気工事士ともに上半期・下半期の2回試験上半期・下半期の2回試験
実技試験

また、令和4年度から、電験三種における、重要な制度変更が行われました。

令和4年度から、第三種電気主任技術者試験は年2回実施となり、上期試験、下期試験、両方の申込みが可能となります。

以上の変更により、電験三種についても、上半期、下半期に2回の試験が行われることになりました。

電気工事士と電験三種の難易度の違い

電気工事士と電験三種のどちらが難易度が高いのか。各資格の偏差値の違いを元に比較してみました。

試験名偏差値
第一種電気工事士52
第二種電気工事士44
第三種電気主任技術者58

以上のような違いがあります。電気系資格の入門と言われる、第二種電気工事士と電験三種では偏差値に14の開きがあります。

また、電気工事士だと、単純な過去問の繰り返しでも筆記試験を突破できるという声は掲示板・SNSでも多いですが、電気主任技術者となると、単純な過去問の繰り返しだけでは合格できないという意見も多いです。

私自身も、電気工事士の取得までは、過去問の繰り返しというゴリ押しで通用したものの、電験三種は過去問の繰り返しだけでは点数が伸びなかったという苦い過去があります。

電気工事士と電験三種の勉強時間の違い

電気工事士と電験三種の勉強時間の違いについては以下のとおりです。

資格名勉強時間目安
電気工事士100-200時間程度
電験三種600-1000時間

以上のような勉強時間の違いがあります。

電気工事士も電験三種もどちらもある程度まとまった勉強時間が必要です。

取得した体感としては、電気工事士は3ヶ月から半年、電験三種の場合は8ヶ月から1年単位で取得まで勉強する必要があると感じました。

ただ、当ブログで何度も主張しているように、勉強時間はそれぞれの、学力の違いによっても違ってくるので、あくまでも参考程度にしてください。

電気工事士と電験三種の将来性について

現状でも、大手求人サイトindeedのみに限っても、

  • 電気工事士の求人は10000以上
  • 電気主任技術者の求人も3000以上

あります。また、どちらも国が定めた国家資格であり、電気を運用する以上絶対に必要な資格です。

両者の資格ともに、将来性という観点から見ても安定した業種であるといえます。

電気工事士と電験三種どちらを優先すべきか

結論から言えば、将来就職したい職業によって優先度を決めるべきです。

電気工事業に魅力を感じているなら、電気工事士の資格取得が最優先ですし、電気保安業に魅力を感じているなら電験三種の取得が必要です。

また、どちらも国家資格が必要な業務であり、どちらかというよりも、どちらも取得することで将来のキャリアアップに良い影響がある資格といえます。

資格の難易度から考えた場合は、電気工事士の資格のほうが難易度は低いので、将来的に電験三種にステップアップすることを考えれば、最初に第二種電気工事士から取得するのもありです。

ただし、通信講座を利用した場合は、電気の基礎から固めることができるので、電気工事士の資格を経由しなくても、電験三種を目指すことは十分可能です。

また、電気工事士の資格は、電験三種の資格取得後であれば、筆記試験が免除されます。効率だけを考えた場合は電験三種を取得した後に、筆記試験を免除し、実技試験のみ突破することで、電気工事士の資格を取得することが可能になります。

最高効率を目指す場合は、電験三種の受験からスタートして問題ありません。

電気工事士と電験三種の年収の違い

「電気工事士と電験三種はどちらが年収が良いのか」

という点についても知りたい方は多いと思いますので、調べた結果について書いていきます。

電気工事士の求人 – indeed

こちらの求人サイトを参考に30程度のサンプルを参考に平均値を出した結果、電気工事士の求人の平均年収は485万円であることが分かりました。

電気主任技術者の年収については、

電験三種の年収は下がらない!AI時代の到来でも電気主任技術者は生き残る!

こちらの記事の調査した結果として、平均年収は600万前後でした。

電気工事士の平均年収は電気主任技術者より低いものの、安定感のある職種であることを考えると、決して低くはないと言えます。

また、両者ともに独立も視野に入る資格であることから、さらなる年収増も期待できます。

電気工事士と電験三種同時受験のメリット・デメリット

「電気工事士と電験三種どちらかは選べない、どちらも合格したい」

という人のために、同時受験のメリット・デメリットを比較してみます。

電気工事士・電験三種のどちらも受験するメリット

電気工事士と電験三種の同時受験するメリットは以下の通り。

  • 難易度が比較的低い第二種電気工事士からステップアップできる
  • すべて試験から取得することで認定の時間・手間がかからない
  • 電気工事業と電気設備保安業務の求人条件を両方満たせる

一番は時間短縮のメリットが大きいです。電気工事士と電験三種の試験内容は被る部分もあり、効率よく電気系資格を取得できることが大きなメリットになります。

電気工事士・電験三種のどちらも受験するデメリット

  • 同時受験による集中力・勉強量が分散する
  • 同時受験によりどちらも不合格になるリスクが増える
  • 筆記試験の免除の優遇は受けられない

以上のデメリットがあります。同時受験は一年で複数の資格取得が期待できる。というメリットがある一方で、二兎を追う者は一兎をも得ずということわざにあるように、どちらも不合格になってしまうリスクはどうしてもあります。

また、電験三種を取得すると、第二種・第一種ともに筆記試験を免除できる特典があるので、免除を利用できなくなるデメリットがあります。
以上のデメリットを見た上で同時受験を判断してください。

まとめ

電気工事士と電験三種のどちらが良いの?という疑問については

  • 電気工事士も電験三種もどちらも社会に必要不可欠な資格である
  • 同時受験も可能。ただし、メリット・デメリットがあるのでよく注意して判断する
  • 仕事内容に違いが有るので、将来就きたい職業に合わせた資格を取る必要がある

となります。どちらも、頑張れば誰にも取得のチャンスがある資格なので頑張っていきましょう。