こんにちは、電験三種合格者のたまきです。
今回は電験三種の科目選択について
「電験三種の範囲が広すぎる!1科目だけ受験したい」
「電験三種の勉強が思ったほど進まなかった。1科目だけ受験しておきたい」
という問題を解決するための記事を書いていきます。
「電験三種は1科目だけ受験しても本当にいいのか知りたい」
「1科目だけ受験した場合のメリット・デメリットを比較したい」
という人はぜひ読んでください。
目次
電験三種の1科目だけ受験は可能なのか?
結論から言えば可能です。
電験三種には
- 理論
- 電力
- 機械
- 法規
の4つの科目があります。
しかし、絶対に4科目受けなければならないという決まりはないので、1つの科目だけ受験して試験会場から退出することは可能です。
ただし、法規科目だけは途中退出できません。
理論・電力・機械科目に関しては、試験開始一時間後に退出可能です。
1科目だけ受験のメリット
次に1科目だけ受験した場合のメリットについて書いていきます。
1科目だけ受験した場合のメリットは、
- 勉強範囲を削ることができる
- 一つの科目を深く学習できる
- 受験時間が短くて済む
です。
1科目だけ受験する場合の一番のメリットは、やはり勉強時間を大幅に少なくすることができるという点でしょう。
勉強した結果、どうしても他の科目を合格する自信がない。その場合、1科目だけ受験することで精神的な負担を下げることができます。
また、どうしても理解ができない科目があった場合、一つの科目に絞ることで、細かい範囲まで勉強することができます。
また、1科目だけ受験の場合は、当然試験日の負担が小さいので、受験したらすぐに帰宅することも可能です。
1科目だけ受験のデメリット
次に1科目だけ受験した場合のデメリットについてお話します。
デメリットをまとめると以下のとおりです。
- 科目ごとのつながりを意識できない
- 科目合格保留が1年分減る
- 難易度の低い科目を取りこぼす可能性がある
以上が電験三種の1科目受験のデメリットです。
1科目受験の場合だと、電験三種で最も重要な、科目同士の知識のつながりを意識できないため、一つの科目の中だけの知識で勝負する必要があります。
また、電験三種には、一発合格しなかったとしても、合格科目を3年間保留できる、科目合格制度があります。
保留できる科目が1科目だけの場合。つまり、初年度に1科目だけ合格した場合だと、残りの2年で3科目を合格する必要が出てきます。
最初から1科目受験を決めてしまった場合、最大でも1科目合格ですから、次年度以降は2年間の間になんとしても確実に3科目を合格する必要があります。
また、難易度の高い年度にあたってしまうと、1科目合格も厳しくなってしまうというのが大きなデメリットです。
電験三種の場合、各科目ごとに、年度によって難易度が上下しており、ある科目が平均より難しくなることがあります。ある科目について翌年に急に合格率が下がるという場合もあります。
難易度が高い年度の場合、1科目受験だと、最悪合格科目なしという結果にもなりえます。
1科目だけ受験した場合に想定されること
4科目ではなく、1科目だけ受験した場合に考えられることをいかに挙げていきます。
- 理論科目以外の1科目合格の場合、理論科目を再学習する必要がある
- 電験三種の本試験の疲労度が分からないまま退席することになる
- 高難易度の年度が続いても2年以内に3科目合格をしなければならない
理論科目はすべての科目につながる重要科目です。
よって、仮に理論科目以外を受験して合格した場合、次年度も必ず理論科目を勉強する必要があります。
理論科目「以外」を1科目だけ受験した場合について考えてみましょう。
この場合、次年度はまず最初に理論科目の勉強から始めなければならないのです。
すべての科目につながっている理論科目があいまいだと、他の科目の点数は絶対に伸びないからです。
総合した合計の勉強時間は多くなってしまいます。
また、本試験は一日の疲労度を測れる重要な機会です。4科目すべてを受験することで、自分の体がどれくらい疲れるのか?を知る重要な機会になります。
1科目受験は疲れない一方で、いくつかの科目を連続して受験した場合の疲れは測ることができなくなります。
次年度以降を考えると、一日の疲労度を知っておくことは、試験を受ける上で重要です。
また、年度によっては、数年に渡って、高難易度の試験が続く場合があります。ただし、1科目合格してしまうと、どうしても残りの2年ですべての科目を合格する必要があります。
このように、多くの問題点が発生してしまうのです。
どうしても1科目だけ受験したい場合に注意すべきこと
何度も電験三種に挑戦して合格した経験から、4科目すべての受験をおすすめしています。
ただし人によっては事情があるでしょう。事情があって1科目だけの受験をするしかないという場合、意識してほしいのは以下のとおりです。
- すべての科目の一番基本となる理論科目だけ選択する
- 一番難易度の高い機械科目だけ選択するのもあり
- 前年度に合格率が高かった科目は避ける
- 勉強範囲が狭くても油断せずみっちり勉強する
理論科目だけ受験する
まず、基本かつ、重要度の高い理論科目から先に攻略してしまうという方法。
まず、電気とは?という基本的な知識から問われる科目なので取り掛かりやすく、また、他の科目の足がかりにしやすいというメリットがあります。
- 理論科目は義務教育時代の物理や理科で並んだ内容も多少含んでいる
- 理論科目の知識を使わない科目はない
- 計算力の底上げに最適
以上の理由から、理論科目を1科目だけ受験するという選択肢があります。
機械科目だけ受験する
電験三種の4科目の中で最も難易度が高い、機械科目を先に攻略してしまうという方法。
この選択をするメリットは以下の通り
- 科目合格保留の最終科目が機械だけ残ってしまうのを防ぐ
- 最初に一番難しい科目を攻略してしまえば来年度は心理的に楽
- 機械科目を合格できれば他の科目は確実に合格できる実力はある
以上の理由から機械科目のみ受験するという方法もあります。
前年度に合格率が高かった科目は避ける
各科目の合格率は毎年変動しています。
また、合格率が高かった年度の翌年は、5%近く科目合格率が下がる傾向にあります。
(参考)令和 2 年度第三種電気主任技術者試験の結果について
令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について
このことから、前年度に合格率が高かった科目については、合格率の関係で避けることをおすすめします。
勉強範囲が狭くても油断せずみっちり勉強する
1科目だけ勉強する場合、比較して、勉強範囲を狭くすることができます。
逆に油断して、あまり勉強しないという本末転倒な事態になりがちです。
- 1科目だけの学習でも常に意識は高く
- 合格するだろうという油断は禁物
- 高難易度の年度に当たっても合格できるだけの実力を身につける
このように、電験三種に合格するのは1科目であっても大変だということを意識して、
1科目だけ勉強すると決めた場合でも、決して油断せずみっちりと勉強してください
できる限り4科目すべてを受験すべき理由
1科目受験した場合のメリット・デメリットを書いてきました。
1科目だけ受験することになった状況として、
- 直近の過去問で、1科目だけしか合格点に届かなかった
- 自分が苦手な科目だけを一点集中して合格しておきたい
- 1科目分の勉強時間しか確保できなさそうだ
という事情があると思われます。
しかし、数年に渡って勉強し合格した私の経験上、4科目すべてを、たとえ合格の可能性が薄くても受験すべきだと感じています。
その主な理由が以下の3つです。
- 4科目全てはつながっている
- 自分の実力と合格までの距離を一番正確に測れる貴重な機会
すでに書きましたが、電験三種の各科目は全てつながっています。よって、4つの科目すべてを受験したほうが、それぞれの科目からのつながりで、より深い理解を得られる可能性が高いです。
私は機械科目でどうしても理解できない概念を、理論の学習をしているときにふと理解できたことがありました。
機械科目を勉強するときは、機械科目だけを頼りにするのではなく、
「機械科目につながる理論科目の知識はなんだろうか」
「機械科目につながる電力科目の知識はなんだろうか」
このように考えることで、1科目だけ勉強しているときよりも圧倒的に理解がしやすいのです。
また、試験本番ほど、自分の真の実力を測れる機会はありません。
4科目すべてを受験すれば、自分が合格までどのくらい近づいているのかを知ることができます。
1科目だけ受験した場合だと、他の科目の雰囲気や、合格までの距離を測ることができません。
以上の理由から、できる限り4科目すべてを受験することをおすすめします。
まとめ
電験三種を1科目だけ受験する場合のまとめとしては以下のとおりです。
- 1科目だけ受験することは可能である
- 1科目だけ勉強する場合、理論科目の再学習は必須である
- 経験上、1科目だけより4科目すべての勉強がおすすめ
電験三種に関して、1科目だけ受験する場合は以上に注意して、学習を進めていきましょう。