こんにちは電験三種合格者のたまきです。電験三種を受験する際には、受験詳細を知っておく必要があります。
ただ、詳細を書くだけだと、公式ホームページを見れば済む話なので、4年間の経験からくる実体験を交えながら解説していきたいと思います。
目次
電験三種の受験資格について
受験資格はありません。正確に言えば、学歴には左右されず、年齢にも左右されません。誰でもやる気さえあれば受験可能な資格です。
受験資格が無いことについての注意点
受験資格がない資格は、電験三種に限らず本来の資格の難易度以上に合格率が低くなる傾向にあります。その敷居の低さから、受験すらせず辞退する人が多くいるためです。
合格率は毎年10%以下と低いです。よって、自分では合格できないと感じるかもしれませんが、正しい勉強をすれば誰でも合格できる資格であると言えます。
電験三種の難易度はどの程度なのか?
- 「資格のとり方」という700以上の資格を分類したサイトで偏差値58
- 合格には半年から1年間の勉強が必要
- 過去十年間において、合格率が10%を上回ったことはない
参考サイト:資格のとり方「資格難易度ランキング 1位~700位」
偏差値58とありますが、難しく考えず平均よりは難しいという程度に考えておきましょう。
上記サイトでは「普通」の難易度という分類をされていますが、合格率が低いことを考えると十分難易度は高い資格になります。
電験三種の受験概要
科目別の出題範囲
電験三種において一次試験のみで完結します。二次試験はありません。
科目 | 試験科目の出題分野 |
---|---|
理論 | 電気理論・電子理論・電気計測・電子計測 |
電力 | 発電所・変電所の設計・運転、送電線路・配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用・電気材料 |
機械 | 電気機器・パワーエレクトロニクス・電動機応用・照明・電熱・電気化学・電気加工・自動制御・メカトロニクス・電力システムに関する情報伝送及び処理 |
法規 | 電気法規(保安に関するものに限り)・電気施設管理 |
試験日当日の流れと試験科目概要
受験順番 | 1限目 | 2限目 | 3限目 | 4限目 |
---|---|---|---|---|
科目 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
試験時間 | 90分 | 90分 | 90分 | 65分 |
時間 | 9:00~10:30 | 11:10~12:40 | 14:00~15:30 | 16:10~17:15 |
出題数 | A問題14問 B問題3問 | A問題14問 B問題3問 | A問題14問 B問題3問 | A問題10問 B問題3問 |
科目合格制度について
一年目に合格した科目について、3年目まで有効になる制度です。例えば一年目に「理論」、「電力」を取得した場合、3年以内に残りの科目である「機械」、「法規」について合格することで電験三種取得となる制度です。
受験申し込みから免許交付までの流れ
-
受験の申込み(5月下旬から6月中旬)
郵送での受付、インターネットでの受付の2つに対応しています。
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試験日(9月上旬)
4科目の試験が一日で行われます。
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合格者発表(10月下旬)
受験番号と照らし合わせて結果を確認します。
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免状の交付申請
経済産業大臣へ免状の交付を申請書類を書きます。必要書類を忘れずに添付します。
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第三種電気主任技術者の免状交付
電験三種で取扱い可能な業務
電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(除外あり)
電気主任技術者の分類 | 監督できる範囲 |
---|---|
第一種電気主任技術者 | すべての事業用電気工作物 |
第二種電気主任技術者 | 17万V未満の事業用電気工作物 |
第三種電気主任技術者 | 5万V未満の電気事業用電気工作物(出力5000KW以上の発電所は除く) |
受験申込は一日でも早くやる
勉強以外のことで時間を使うのは非常にもったいないです。電験三種の申し込み時点では、3ヶ月前なので、この頃は一日ごとの勉強が合否に関わってくるくらい大事な時期です。申込期間は二週間程度ありますが、遅い時期に申し込みをしても不安になるだけで全くメリットが無いです。できる限り早めに申し込んでしまって、勉強のみに集中できる環境を作ることも合格する上では非常に大事です。
電験三種の合格率の過去10年の推移
表を見れば分かる通り、10人に一人も合格していない資格が電験三種です。
- 過去10年間で合格率が9%を上回ったのは2度だけ
- 合格率が上昇した次の年は比較的合格率が下がる傾向にある
- 合格率が10%を超えることはめったにない
以上の傾向がありますが、あくまで傾向です。受験する年度によっては、急に傾向が変わる可能性もあります。
合格率を気にしすぎてはいけない
例えば今年受験するあなたが、合格率が今年は低くなりそうだという理由で受験を諦めるのでしょうか?諦めませんよね。
合格したい理由がある以上は、絶対に合格しなければならないわけです。合格率を気にしすぎると不安になるだけで、良いことはありません。まず、難易度が例年より高い場合は、合格点が調整されて低くなる場合がありますから、あまり心配しすぎる必要もないでしょう。
合格率の推移を気にすることより、毎日しっかりと勉強して合格する可能性を高めることの方が大事です。
合格点の過去10年の推移
理論 | 電力 | 機械 | 法規 | |
---|---|---|---|---|
H30(2018) | 55 | 55 | 55 | 51 |
H29(2017) | 55 | 55 | 55 | 55 |
H28(2016) | 55 | 55 | 55 | 54 |
H27(2015) | 55 | 55 | 55 | 55 |
H26(2014) | 54.38 | 58 | 54.39 | 58 |
H25(2013) | 57.73 | 56.32 | 54.57 | 58 |
H24(2012) | 55 | 55 | 50.56 | 51.35 |
H23(2011) | 52.44 | 55 | 55 | 54.2 |
H22(2010) | 55 | 52.75 | 47.65 | 55 |
H21(2009) | 53.9 | 55 | 49.17 | 55 |
10年間のデータから読み取れる傾向として、
- 過去十年間で合格点が60点を上回ったことはない
- 合格点が55点を超えた年度は多くない
- 近年は55点程度で推移している
以上のことが言えます。特に過去4年間は全ての科目において55点程度ですから、今後もこの傾向は続くと思われます。
当日に60点以上を取ることができれば合格できるといって差し支えないでしょう。
合格点を超えるためには少しだけ高い目標が必要
100点を取ろうとしても、80点だったという経験はあると思います。電験三種においても、60点ギリギリを目指す勉強では落ちてしまうリスクは大きいです。過去問などに取り組む際には、70点以上を安定して取れるまで、自分の実力を伸ばす必要があります。
試験当日までに必要なこと
- 必要な筆記用具を揃える
- 試験日前日は睡眠をしっかりとる
- 受験票に写真を必ず貼っておく
必要な筆記用具として、マークシート用の鉛筆と計算用の筆記用具は分ける
マークシート式の試験なので、シャープペンシルだと塗りつぶしにくいです。ただ、計算を行うときはペン先が細く、細かい式も書きやすいシャーペンがおすすめです。
つまり、マークシート用と計算用で使い分けるのがベストです。
消しゴムなどは当然複数用意していきましょう。筆記用具を落として試験管が拾っている時間を待つ余裕はありません。
試験前日にしっかり睡眠を取るのは基本中の基本
脳の働きと睡眠とは密接な関わりがあることは、すでに研究によって明らかにされています。
睡眠不足が進むと、気分や感情、認知能力などがすべて低下します。抑うつ的になるなど、幸福感も低下します。これらはすべて脳の働きであり、寝ないと脳の働きが悪くなるという証拠です。
電験三種は半分以上が計算問題なので、睡眠を取らないことによる思考力低下は合否に直接影響します。前日は必ず7時間以上の十分な睡眠をとってください。
受験票に写真を貼らないのは論外中の論外
まず、受験票を忘れることと同等にやってはいけないのは、受験票の写真の貼り忘れです。
電験三種に合格するためには、当日の休憩時間をいかにフル活用するかが合否の分かれ目です。確かに会場で届け出ることで、対処してくれる場合もあります。しかし、貴重な時間を無駄にするだけでなく、ただでさえ緊張する試験当日に余計なストレスがかかります。良いことは一つもないので、絶対に写真の貼り忘れは厳禁です。
試験当日に必要なこと
- 解けそうな問題から解く
- 休憩中に人と話さない
- 昼食時間も勉強を
当日は解けそうにない問題が必ず出る。解けそうな問題から解くべき
試験日ですが、どの科目においても全く手も足も出せない問題というのが必ず出題されます。落とすための問題には手を付けずに、まず一呼吸してから解けそうな問題に印をつけていってください。バカ正直に1問目から解いていく必要は全くありません。
自分のことのみに集中する
当日は本当に多いですが、気心の知れる友人と同時受験していて、休憩中におしゃべり…というパターンが非常に多いです。
試験会場でも多く見かけますが、正直に行って、受験に対する意識が低いと言わざるを得ません。本当に合格したいと思っているなら、休憩時間中だろうが自分のことに集中するはずです。いかに受験した科目が難しかろうと試験時間が終わったあとは次の科目に集中してください。友人とお話する時間なんて一分もありません。
昼食時間は貴重な勉強時間だ
電験三種を何度も受験していると分かるのですが、意外と試験直前に勉強した分野が出題されるという事が多いです。これは自分も何回も経験していて、直前にひと目通した問題の類題が出題されて、5点ほど稼ぐことが出来たというパターンが何度もありました。そのため、当日の休憩時間というのはたとえ昼食時間中だろうと貴重な勉強時間です。
もちろん休憩時間中には、脳を休める必要もあります。ですから、休憩時間中に計算問題を解くことはあまりおすすめはしません。そうではなく、覚えていれば確実に得点できる文章問題の復習を行うのです。具体的に言えば、昼食中も
「あの公式はどんな理屈だったっけ?」
「あの理論のベクトル図は?」
などを思い出す。いわゆるアウトプットをするのです。思い出すだけなら脳を酷使することもありませんし、何より食事で両手がふさがっていても勉強できます。
電験二種との関連性は?
第二種電気主任技術者試験(以下「第二種試験」という。)は電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の主任技術者
電験三種が5万ボルト未満の電気工作物の工事・維持・運用を任される資格であり、電験二種との違いは、扱う電気工作物の電圧の違いです。二種は主に大規模工場・発電所で必要な資格です。日本国内の電気工作物は5万ボルト未満が八割以上です。ほとんどが電験三種の範囲で取り扱えるので、一般的に転職の際に必要な資格といえば三種レベルで十分と言えます。
正しい通信講座の選び方を知っておく
電験三種の勉強には通信講座は必須です。
通信講座の選び方を知ることで、最短で合格するためにはどんな前提の通信講座を選ぶ必要があるのか、完璧に理解できます。