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Amazonで地味に評価の高い「絵解き解説シリーズ」は参考書として本当に優秀なのか?たまきが購入してレビューしました。
日本電気協会ってどんな会社?
1921年に発足した団体であり、歴史は相当古いです。電気産業の発展を目的として活動している団体です。
教材概要
最初に例題を載せるという点は「これだけシリーズ」などと一緒ですが、一緒に解き方のヒントなどを載せている点は他の参考書と違うところです。
例題では出題傾向の分析をした問題が出されています。
最後に確認として重要項目が片面1ページにまとめられています。
独自チェック項目
1.初学者向けの配慮はあるか?
【14/20点】
他の参考書と違うのは、無味乾燥な解説ではなく、間違えそうなポイントや解き方のポイントなどを解説していることです。
完全マスターや徹底解説シリーズなどは教科書的で、お堅い参考書という感じです。一方で、この参考書は語り口が優しく、初学者目線で回答しようという意思は感じられます。
ただ、電験の知識がある人が参考書の構成を考えているからか、分かりやすさが足りず、少し難易度が高い解説をそのまましてしまっている点が残念です、
2.無駄な説明がついていないか?
【12/20点】
受験時には推奨できない解き方を載せるのは、いただけません。試験時に使えないのであれば、合格には使えない知識ということですからわざわざ載せる必要はないはずです。
この他にもやたら、合格に必要のない知識を「補足」という形で大量に載せています。
別に解き方のヒントなどは記載しても問題なく、むしろありがたいのですが、試験に関係ない項目への解説は写真以外にも大量にあり、勉強の邪魔になります。そういった点がマイナスポイントです。
3.ひと目で重要部分がわかる構造になっているか?
【15/20点】
毎節に必ず重要ポイントとして、片面1ページを使って解説しているのは良いポイントですね。せいぜい各章ごとのまとめしかしてない参考書も普通にあるので良心的です。
ただ、電験三種は理論科目といえども、毎年少しずつ出題傾向を変えているので、本誌の出題頻度の星マークに関しては信じすぎるのは危険と思います。
また、重要部分を全て赤色で記載しているため、ページによっては、同じ色のマーカーで大量に線を引いた教科書のような見にくさ・分かりにくさがあります。
重要であると伝えたい気持ちは分かるのですが、これでは学習する人は混乱してしまいます。
あと、細かいことをいうならば、問題と重要項目を同じ色・形の枠で囲っているため、重要ポイントが分かりづらく構成で損しています。そういった細かい点も評価に入れています。
4.合格できるだけの問題数があるか?
【12/20点】
問題演習ができることを売りにしている参考書です。しかし、問題数は基本問題、応用問題、実践問題が各節に一つずつしかなく、全体でも100問もないです。
よっぽど徹底解説シリーズの方が問題数は多いです。ただ、解説は徹底解説シリーズよりも丁寧なのでその点を考慮した点数にしました。
5.改訂は適切な間隔でされているか
【14/20点】
2014年に発刊しています。
それ以前の同シリーズの理論冊子も2011年頃に発刊されていることを考えると、4年あるいは5年に一度は改訂されています。また、放棄に関しては理論よりハイペースで改訂されていることからも一定の評価はできます。
ただ、毎年改訂される通信講座などと比べるとどうしても見劣りします。
総合点数:67点
参考書として満たすべき最小限の気遣い・分かりやすさは備えていると思います。
冊子も「これだけシリーズ」に見られるようなA4サイズではなく、一回り大きいB5サイズですので、取り回しがしにくいのが弱点です。
一方で、見やすさという点では「これだけシリーズ」よりも上回っています。
教材名の長所と短所
メリット
- 各節の最後にまとめの記載がある
- 解き方の助けになる項目が記載されている
- 基礎問題から段階を踏んで問題を解けるようになっている
デメリット
- 他の参考書と同様の無駄な解説がついている
- ページによっては赤文字が大量にあり逆に読みにくい
- 大きいサイズ参考書なので使いにくい
総合評価
ひと目で目につくのは本の大きさですね。縦25センチ、横15センチを超えてくるので、明らかに他より大きめの参考書です。
重要項目のまとめをしっかりと記載するなど、一定の配慮は見られるものの、どうしても全体の赤文字乱用による独特の見にくさというのがぬぐえません。
せっかく大きいサイズの参考書なのだから、図を大きく見せるなどの工夫はほしいところでした。
参考書では避けられない、
- 出題範囲を全て載せる
- 必要のない補足項目を大量に載せる
といった、点は他の参考書と同じく大きなデメリットとして存在しています。
ただ解説を載せるだけではなく、解き方のポイントなどを載せて、使用者のために解説を書こうという気遣いは推薦講座のSATと通じるところがあります。しかし、無駄な解説が多めだということがひっかかります。
合格に必要な範囲だけ載せるパーフェクト講座とは対照的です。
結論として、おすすめとまではいえません。