【購入レビュー】オーム社の「よくわかるシリーズ」をたまき視点でレビュー

難易度が低く、比較的初学者向けと言われる「よくわかるシリーズ」は本当によく分かるのか？真実を徹底追求レビューしました

理工学系の参考書を得意とする出版社です。電気業界の方で知らない人はいないくらいの有名企業です。

最初に重要項目を載せているのは良いですね。一度学習した後に復習するときに重要項目をまとめていると復習しやすいです。

コラムでは例題よりさらに簡単な例題を通して重要理論について解説する構成になっています。

章末問題を通して実力を引き上げる構成になっています。

【13/20点】
他の参考書では当たり前に高度な数学を用いて解説しているのですが、よくわかるシリーズではできるだけそういった解説は使わないようにする努力は感じられました。

ただ、公式について解説が全く足りず、いきなり丸暗記をさせるような構成になっています。せっかく簡単に解説しているのに、「なぜその数値になるのか？」という重要な解説が抜け落ちているのでは意味がありません。このような理由から、点数が低くしました。

【17/20点】
無駄な説明が少ないのは一つ評価できるポイントです。無駄な豆知識的な記載が多いと、覚える量が多いと初学者は考えるので、合格するのが難しいと感じてしまいます。

その点よくわかるシリーズは無駄に多くの知識を載せて蛇足な知識を載せているということがないので、すっきりしています。

【13/20点】
比較的よく出題されるピーククリッパ回路等の範囲が”おまけ扱い”となっているのはいかがなものかと。重要項目とそうでない部分の選定が甘く、参考書としてあまり良くできていないという印象を受けました。

【5/20点】
問題数は全く足りません。例題は決して多いとは言えず、各章あたり3問前後しかありません。章末問題については、重要項目の三相交流の章ですら3問しかなく、多い章でも5問程度と問題数が足りないどころの話ではなく、手抜きとしか言いようがありません。

【5/20点】
平成11,17,22,年と三回改定しています。ただ、以降は改定しておらず、すでにオーム社公式サイトでは販売停止となっており絶版となっています。

一昔前は初学者向け参考書として有名でしたが、今見ても正直初学者向けとも思えず、おすすめしようという気は全くおきない参考書ですね。各評価項目でも内容の悪さが点数に現れてますね。

電験三種の参考書というくくりだと簡単な方の参考書ではあると思います。下手に難しい数学に頼らず簡単に解説しようという意図も感じられます。ただ、使ったことのない電気記号を平気でいきなり使用するなどの不親切さがあります。

特に5章の「磁気の性質と電の磁気作用を学ぶ」での解説の飛ばし方がひどく、途中でなぜその理論になるのか初学者には理解不能な飛ばし方をしています。

入門書的立ち位置の参考書ですが、初学者にとってはそれでも難しく感じるはずです。

扱ったことのない単位が急に出てくる。数学記号をふんだんに使うなど、よくわからない面もありました。

あらゆるサイトで簡単な参考書という紹介のされ方をされているので、初学者はこぞって購入しますが、実際は記載した通り初学者向けの解説ではないので評価も低いです。

電気に詳しくない人向けであり、初めて電験を勉強する人に向けての参考書のはずですが、編集の方針が良くないのか、分かりにくい参考書になっていますね。

すでに絶版になっていますし、この参考書で電験3種の勉強をするのは一切おすすめできません。