こんにちは、たまきです。今回も電験3種合格までの体験記を書いていこうと思います。失敗の連続はどのような考え方で生まれてしまったのか、その軌跡を辿ることで、あなたが受験の際に失敗する可能性を少しでも減らせたらと思います。

2年目は失敗できないと感じた1月

前年度の失敗を分析した結果、そもそも勉強を開始するのが4月では遅すぎるのではないか?という結論になりました。

そこで、十分に合格する可能性を高めるため、1月から勉強を開始しました。そして、問題のテキストについて変更を行いました。完全な判断ミスだと今でも思いますが、あの有名な「完全マスターシリーズ」に手を出してしまいます。

2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で、完全マスターの評価が高いことから、この参考書なら合格できるはずだという考えでした。

当時はなぜか、これだけ理論を使って不合格になったのは、簡単な参考書を使ったからだという意味不明な思い込みがあり、難しいレベルのテキストを完璧にすれば今度こそ合格できるという考えがあったのです。

しかし、理論テキストの1ページ目からやはり戸惑います。全く理解できないのです。これだけシリーズは理解できない部分があるという感じでした。

難しい部分については全く理解できませんでしたが、それでも簡単な直流回路などは理解でき、ある程度の問題は解けていたのです。

しかし、完全マスターは最初から全く理解できません。それもそのはず、自分が理解不能な微分積分をフル活用したテキストであり、高校では電気科だった学力の低い私が理解できるテキストではありませんでした。

それでも、やるしかないと決めていた私は、やはり分からないところは先延ばしにして、とりあえずわかるところだけ解いていくスタイルにしていました。

思ったよりスムーズに学習が進んだ2月

以前の大失敗を経験しているからか、勉強する習慣はついていました。

勉強時間で一日3時間を切る日はなかったですし、週末は6時間以上勉強していました。当然テキストもよく進み、一年目とは比べ物にならない進歩状況でした。これは合格できるかもしれないと思い始めます。

ただ、依然として合格は雲をつかむような話です。去年より理解しているといっても、あくまでも得意な分野というだけで、去年も苦手だった過度現象や電子回路の分野に関しては苦手なままでした。

このままでは合格できないと思いつつも、今更テキストを変更するわけにも行かず、とにかく理解できるところだけに集中して勉強していきました。

結果的には早くテキストを回すことができたという点で、分かる部分から始めるというのは間違っていなかったのだと思いました。

風邪を引いたことから崩れ始める3月

きっかけは些細なことだったと思います。ただ単に、数日どうしても風邪がひどく寝たきりになっていたということがありました。

ただの体調不良というだけなので、体調が復活してからまた勉強を始めれば良かったのです。

ただ、この時の私は自分に甘いところがあり、一度勉強しないという日が数日続くと、「勉強するより遊びたい」という誘惑に負けてしまい、勉強する習慣が完全になくなってしまいました。

正確には、一日3時間は必ず勉強していたのが、日に日に少なくなっていき、一日一時間、悪いときには3日に一時間というぐらいにまでスローペースになりました。

去年頑張っても受からなかったというトラウマと、風邪を引いたことによる甘えの引きずりが重なって、なかなか勉強しないという悪循環になっていきました。

あのときに軌道修正していれば、科目合格するという可能性はゼロではなかったと思います。今でも後悔している部分です。

一週間に数時間という日が続いた4月

この頃になると、1月から3月までの頑張り具合が嘘のように勉強しなくなっていて、本当に一週間に数時間程度しか勉強しなかったと思います。

受かるために必要である、

「何のために合格するのか」

という動機が明確ではなかったのです。去年も今年も、動機は難関資格を持ちたいというそれだけであり、毎日苦しい勉強を続けるには動機が弱く、足りなかったのだと思います。

ただ、勉強は続けているので、公式を忘れることはなかったものの、中途半端な取り組み方で実力が向上するわけもなく。結局2ヶ月で2科目を一周したテキストを1月かけても1科目すら一周できないという酷さでした。

どうにかしてモチベーションを保とうにも、すぐに「どうせ勉強しても合格できないし」「勉強するのが面倒くさい」という負け犬思考が頭の中をぐるぐると渦巻いていました。

このときの私は誰が見ても、合格できない考え方に違いありません。

勉強法を調べることに熱中した5月

5月といえば、電験三種受験者が受験を意識する申込期間が始まる月です。

当然勉強法の検索などに時間を割いている暇はないのですが、どこか「もっと確実に合格できる方法はないか?」「もっと楽に合格できる方法はないか?」という考えで頭がいっぱいになっていました。

ネットはもちろん本屋でも勉強法を調べるという重症度でした。もちろん勉強法を調べること自体は間違ったこととも言えません。資格取得においても情報収集は大事です。

ただ、それはあくまで余裕のあるときにやるべきです。間違っても5月という時期にやることではありません。

ただ、このときに将来の分岐点となる通信講座を意識できたことは幸いしました。

とは言ってもこの頃の私は、「通信講座はお金がかかるだけ」「参考書なら数千円で学習できる」「通信講座は無駄」という考え方だったので、通信講座の存在を知っても、聞き流していました。

6月になり、一旦モチベーションが回復

6月になってくると、試験まで3ヶ月を切るということで、若干モチベーションが上がります。ただ、やはり数日後にはモチベーションの低下を感じ始めました。

この頃に私は、モチベーションを維持するためには動機が足りないのではないか?という結論に至ります。同じ失敗を繰り返さないために、どうにかしてモチベーションを維持する。

そのためには「どうして電験3種に合格したいのか?」改めて考えて見る必要があると考えました。

そこで改めて動機を考えると、電験三種に受かりたい理由が、

  • 電気を勉強してきた証明がほしいから
  • 電験3種を取ると報奨金がもらえるから

という2つの理由しか無いことに気づきました。これではモチベーションが続かないのも無理はありません。

毎日の勉強の苦しさに勝る果実が無いと人は勉強しないのです。そのことに気づくまでだいぶ掛かりました。

資格を取るためには「動機の明確化」が必要だと知った私は、とりあえず合格したい理由を何個も羅列していきました。

そして、改めて勉強するとあることに気が付きます。勉強が嫌になってきても、ひと踏ん張りできるようになったということです。

目標を明確化することで、モチベーションが下がることが減り、仮に下がったとしても強制的に机に座って勉強することができるようになりました。

これは一年前と比べて大きな前進となりました。というのも、いくら良い環境や道具が揃っていても、自分の頑張りがなければ電験3種は絶対に合格できないからです。

ですから、毎日勉強するという当たり前かつ重要なことを継続できるようになったのはこの月の大きな収穫でした。

7月は前年度の反省を活かし、過去問を早めに取り組むつもりだったが

6月ぐらいまでだらだらと勉強していたので、勉強の密度というのは薄く、結局テキストを二週しかしていませんでした。

この状態では受からないと思っていたので、またしても予定を後日にずらすことにしました。ただ、流石に8月にずれ込むのはまずいと考えてもいたので、どうにか7月中旬には始めようとしました。

ただ、過去問とテキストは問題のレベルが違います。特に「やさしいシリーズ」などの難易度の低いテキストほどその傾向は強くなります。テキストを完璧にしていても、過去問を開くと全く解けないということもありえます。

一方でこの年度の私のように難しすぎるテキストをやってもそれはそれで問題です。過去問に移行する時期が遅れる危険もあります。もちろん予定を最重要に考え、中途半端な状態で過去問に臨むことも可能です。ただ、その場合全く過去問が解けないということに変わりはありません。

私は実際この時期に過去問に取り組むも、全く理解できず結局テキストに戻りました。

無駄に難しい解説、分かりにくい図解、飛ばされる途中計算式。このようなデメリットが多くある「完全マスターシリーズ」のテキストを使って効率の悪い勉強をしていました。

結局過去問に取り組んだのは両科目のテキストを3周できた、7月下旬となってしまいました。

過去問に本気で取り組んだ8月

とにかくこの頃になると、勉強のモチベーションなどはどうでも良くなってきます。とにかく焦りと不安で押しつぶされそうになりながら、毎日勉強を続けました。

去年完璧にした過去問もこの頃になると完全に忘れており、再度問題を理解して解く必要が出てきました。過去問は電験3種の合格に置いて本当に重要な冊子ですが、この時は問題と解答が別々になっている冊子を使っていたので、完全に時間の無駄でした。どうか購入する時は、問題と解答が近く、時間の無駄にならない過去問を使用することをおすすめします。


ちなみにこれが私が実際に合格の際使用した過去問です。左側に問題、右側に解答。そして解答はブラインドシートで隠せるという完璧な仕様です。問題と解答が近い過去問はそれなりにあるのですが、近すぎると今度は指で回答を隠したり、ノートで隠したりといった無駄なストレスが掛かります。

その点上記の過去問であれば、ブラインドシートで隠してしまえば無駄なストレスもかからず、問題を解いた後にすぐに回答を見ることが自然にできます。ストレスフリーの過去問ですので、購入する際はこちらの冊子を強くおすすめします。

試験当日前年度よりは解けた感触があったが

結果を見てみると理論は45点、法規は30点台という惨敗の結果に終わりました。この2回の不合格で、いよいよ自分にはセンスが無いのか。それとも頭が悪いから合格しないのか。何度も自問自答を繰り返しました。もちろん自分の甘さについても猛反省しました。そこで次年度は何か環境を変える必要があると強く感じました。

二年目の反省と課題

二年目も、またもや電験に落ちてしまった原因は、

  • 必要以上に難易度の高いテキストで勉強していた
  • 勉強法をコロコロ変えて勉強していた
  • 一度勉強する習慣が崩れてからすぐに立て直さなかった

このような原因があります。電験三種は難易度の高い試験ですが、合格することに限って言えば完全マスターレベルの難易度の参考書を完全に理解する必要は全く必要ありません。名前や知名度、評判などで購入しましたが、結果的にテキスト選びで失敗してしまったと思います。

あとは、どうにかして合格しようと、勉強法をいろいろ変えて勉強してしまったことも不合格の要因になったと思います。合格できないのではないか、と不安になる気持ちは誰もが一緒です。しかし、そのたびに勉強法を変えていては、効率の悪い勉強をしてしまうことになります。勉強の習慣についても、一度崩れた時点で少しずつでもいいから勉強を始めれば悪い習慣もすぐになくすことができたと思います。

これらの原因があり2年目もまたしても不合格になるのです。

たまきの合格体験記【3年目】につづく