電験三種の理論が分からないを解決

こんにちは、電験三種合格者のたまきです。

今回は電験三種の基本である「理論」科目について、
「電験三種を勉強しているのに理論科目が全然わからない!」
「電験三種の理論がわかるようになるためにはどうしたらいいの?」

という問題を解決するための対処法を私の実体験を交えながら紹介していきます。

「電験三種の理論科目の理解を深める方法を知りたい」
「電験三種の理論が分からない原因と対策を一緒に知りたい」

という人はぜひ読んでください。

電験三種の理論の分からないを解決するための対策

電験三種の理論の分からないを解決するための対策

それではさっそく、電験三種の理論科目のわからないを解決する対策を学んでいきましょう。

自分が理解できる部分から始める

多くの参考書が、最初のページで取り上げている分野は

  • 直流回路
  • クーロンの法則

この2つであることが多いです。まず、電荷という電気という分野の基礎中の基礎から始めるのか、義務教育の理科などで慣れ親しんだ直流回路から始めるのか。著作者の考え方の違いからくる並びでしょう。

執筆者の意向で理解しやすい順番に並べているだけなので、どの分野から学習しても問題ありません。

完璧主義であればあるほど、参考書やテキストは一番最初のページから理解しなければいけないと錯覚しています。私も、学習したての頃は、最初から順序よく勉強しなければならない。学習の順番を守らなければならないという思いに囚われて、最初のクーロンの法則から学習してつまづいた経験があります。

しかし、最終的に合格できるだけの学力が身につけばよいわけですから、取っ掛かりとして、自分が身につきやすいと思える分野から始めれば良いのです。

ただし、全ページのうち、前半の分野の中から選ぶことをおすすめします。どの参考書であっても、後半は頻出範囲から外れた、出題率の低い分野や問題を取り上げていることが多いからです。

まずは、参考書を前半と後半とわけ、その中から一番理解しやすい分野から学習をはじめるべきです。

まず電気数学を固める

電験三種の勉強をしようというときは、まず最初に、理論科目から勉強しようとする方が多いでしょう。電験三種の受験科目の中では最も基礎で土台となる科目です。ただし、電験三種レベルの問題を理解するためには、数学力が必要です。そして、数学力を鍛えるための時間は必ず必要です。経験から言うと、最低一ヶ月は「電気数学のみ」を学ぶ期間を設ける必要があります。

数学力がないと問題を解くことができないだけではなく、解説も分からないので勉強をすすめることが難しくなります。

電験三種は理論科目・電力科目・機械科目・法規科目と4科目の受験項目しかないので、4科目の学習から始めがちです。

しかし、何度も言うように電験三種は電気数学をしっかりと理解していないと太刀打ちできない資格です。

焦らずに、基礎の基礎から固めるつもりで真剣に電気数学を学習してください。

公式の前後の文章を読み解き覚える

公式はただの丸暗記はいけません。もちろん、取っ掛かりとして丸暗記してしまうという方法もありです。ただし、あくまでも覚えたあとに理解する過程を忘れないようにしましょう。

電験三種は過去問と全く同じ問題は出ないので、応用力が必要です。特に、理論科目の場合は、過去問とかけ離れたように見える問題が出る傾向にあり、公式の深い理解は必要不可欠です。

そのためには、公式そのものを覚えるだけではなく、

  • 公式はどうやって成り立っているのか
  • 導き出された公式の前後の文章も理解する
  • 公式の単位についてはしつこいくらい確認する

以上の努力は必要不可欠です。公式を本番試験の初見の問題で応用するためには、公式を覚えるだけではなく、使いこなす必要があります。

公式の丸暗記では解くことはできません。公式の成り立ちを含め、公式のそれぞれの文字がどんな意味になっているのか。しっかりと理解しましょう。

電験三種の理論科目で分からない人が多発する難しい分野

電験三種理論が分からない理由

電験三種の理論科目では、多くの人が難しいと感じる分野が多くあります。以下では特に難しい分野をピックアップしていきます。

三相交流回路

直流回路は義務教育でも学習範囲になっていることもあり、馴染みがあります。しかし、三相交流回路になると、位相という概念が登場し、三角関数をしっかり理解していないと解けない問題が多くなってきます。

この範囲を解くためには

  • 三角関数の基礎知識
  • 位相の進み・遅れの概念の理解
  • Y-Δ(スター・デルタ)変換

以上の概念についてしっかりと使いこなせるレベルまで理解する必要があります。

電磁気

電磁気は公式自体は簡単に思えるものも多いのですが、実際の問題になると初見と思える問題が多数出題されます。公式も丸暗記ではなく、成り立ち、単位をしっかりと覚えておかないと太刀打ちできない分野です。この分野を理解するためには、

  • 公式の確実な暗記
  • 問題が改変されても公式を改変する応用力
  • 磁気の特性についての深い理解

以上の知識・演習力が必要です。

過渡現象

過度現象とは定常状態(時間とともに変化しない状態)から次の定常状態に変化するまでに起こる現象です。多くの参考書では過度現象について高度な数学を用いて説明されており、過度現象の分野だけで電験三種の挫折者を生み出しているのではないかと感じさせる分野です。

ただし、過度現象の問題は電験三種レベルだと、時間の経過で波形の変化がどうなっているか、時間経過による電流の理解ができれば高度な数学まで完全に理解する必要はないのです。

  • 時間の経過による波形の変化
  • 回路の構成による波形の変化
  • 違う波形を確実に排除する選択力

これらの理解が必要です。電験三種の中でも過度現象の問題は難しいですが、選択肢の中の全くありえない波形を取り除くことで3択程度に絞ることができます。そのうえでコンデンサ・コイルなど各要素による波形の変化を理解していれば、難解な式を使いこなすまでもなく解けるようになるはずです。

理論科目が分からないという悩みがでてくる理由と対策

電験三種の理論分からない解決

理論科目が分からない悩みは、電験三種に合格するまではずっとついてまわるものです。今回はその悩みの理由と、対策について書いていきます。

問題文がそもそも理解できない

問題文を読む際に何を問われているのか理解できないと問題を解くことができません。公式を仮に丸暗記していたとしても、どのような問題で、何を問われているのかを理解できないと、適切に公式を使って答えを導き出すことはできません。

対策:テキストを飽きるほど読むことで単語を頭に染み込ませる

問題文が理解できないレベルだと、電験三種特有の単語について、馴染みがないレベルだと思われます。

理解するよりも、まずはテキストを何度もしつこいくらい読み込む。それぞれの科目の単語を理解できた・できないに関わらず、頭に染み込ませる事が必要です。

それも単純に一度読んだり、2度読んだりするレベルでは足りません。最初は黙読し、次に音読、最後に解いてみるとなど、インプットに変化をつけることで脳に刻み込みます。そのうえでアウトプットとして独り言でもいいので知識を解説してみる。

そこまですれば、問題文が理解できないことはないでしょう。

解き方のイメージが沸かない

解き方のイメージが沸かない理由は、順序立てて答えを探す能力が身についていないからです。応用問題を解答するのに必要なのは、逆算思考です。求めたい答えがあり、その答えを出すためには、問題文のどの数値を用いて、どの公式を使わないといけないか。あるいは、どのように公式を改変しなければいけないのかを考える必要があります。

対策:解説を先に見てしまう

順序立てると一言に言っても簡単ではありません。そこで取り組むべき方法は、先に回答を見てしまうという方法です。例題を見ると、問題を解く前に解答を見てしまっては行けないと考える人もいます。自力で答えを導き出す能力が大事だと考える人もいるかも知れません。

しかし、電験三種は多くの人にとって難解であり、勉強できる時間は限られています。

その場合、自分で考えて悩んでいるうちに数時間たってしまうのはもったいないです。

分からないと感じた場合は早く答えを見てしまい、次に進む。もう一度同じ問題を解く頃には解説を忘れているので、もう一度自力で解いてみるのです。

自力で解くことにこだわることよりも、解き方を知り、覚えることに重点を置くことで、問題を解くイメージを掴んでいきます。

解説が難しい

特に難易度の高い三鈷杵にありがちなのは、問題が分からないときに読むための解説なのに、解説自体が高難易度すぎて読んでも全く理解できないというパターンです。自分も完全マスターシリーズの参考書を使って学習していたのですが、自分の学力では高度な数式を理解できず、解説を読んでもちんぷんかんぷんだったことがあります。

解説のわかりやすさがないと学習を進めることが難しくなります。

対策:解説が分かりやすいテキストを利用する

例えばSATのテキストを使うなど、解説までしっかりと初学者レベルでもわかるように解説する教材を使うなどの方法があります。

本編が分かりやすいことを確認することはもちろんですが、テキストの解説が分かりやすいかどうか確認することは必要です。

たとえ電験三種の知識がなくても、難しく解説しているかどうかは文字の量や難解な数式を使っているかどうかで判断できるので、わかりそうだと感じ取れるレベルものものを使いましょう。

理論科目を「分からない」で放置しては駄目な理由

電験三種の理論分からないまま放置は駄目

まったく電気を学んでこなかった人にとっては、理論は他の科目に比べてとっつきにくく、わからない部分も放置しがちです。

ただし、「分からない」まま放置してしまうと、合格する上で障害となってしまう場合があります。

その理由としては以下のとおりです。

理論科目の知識は常に他の科目でも利用するから

電験三種という資格は、4科目ありますが、各科目の知識が独立していません。各科目の知識は線でつながっており、理論は他の科目で応用することが多いです。
例えば、電力科目は単相3線式などの電力系統の計算に使いますし、機械科目では電動機・発電機・変圧器などの頻出範囲にも使います。

他の科目を理解するには、理論科目は絶対に必要な知識なので、理論科目はわからないまま放置してはいけないのです。

分からないまま放置すると、繰り返しの刷り込みができないから

電験三種は長期戦なので一度で理解する必要はありません。分からなくても何度も繰り返すことで、覚えている範囲がだんだん増えてきて、次第に理解できる範囲が増えていくのです。

その意味で、わからない部分をそのまま放置してしまうと、繰り返しの刷り込みができません。分からなくても、何度も復習を繰り返していくうちに、他の科目とのつながりを通して、理解できることがあります。

わからないまま放置することは、繰り返しによる知識を定着させるチャンスを逃してしまうことになるのです。

他科目とのつながりを理解しにくいから

「分からない」まま放置してしまうと、大きなデメリットがあります。それが他の科目とのつながりを理解しにくくなってしまうという点です。

理論の科目の場合は、電力でも、機械でも、法規科目でも、全て理論の知識を使わないと理解できない分野があります。

各科目のつながりというのは、電験三種の理解という意味では大変重要です。

電力科目の内容が理解できなくても、理論科目の知識を通して理解することができます。機械科目の知識も同様です。

つまり、理論科目は、必ず各科目がつながっているため、理論科目の理解が十分な場合は、理論科目の知識を利用して、各科目の理解を深めることができます。

しかし、理論科目の理解が不十分だと、各科目を独立した知識のみで理解しなければならないため、難易度が上がります。

少しむずかしいと感じても、理論科目の理解を深めることで、各科目の理解を掘り下げることができるのです。

電気数学を理解するために必要なこと

理論科目を理解するために、電気数学が重要であることは分かっていただけたと思います。しかし、電気数学というだけで、抵抗感があるのも事実。

なるべく基本的な、義務教育レベルで解説している参考書を探すことが必要です。

「高校数学までというけど、そもそも中学数学すら理解ができてません」
「ルートや分数の計算すらうまくいかないのに」

と悩んでいる人もいるでしょう。ただし、このブログで紹介している通信講座の場合は、電気数学に怖がる必要はありません。例えば、SATの教材の場合だと、電気数学の教材+質問サポートがついているので、まったく数学ができないという人でも、一つずつ質問すれば、確実に回答してもらえるので、安心して取り組めます。

電気数学に無知な人も数学の基礎から少しずつ、分からないを潰しながら学習できます。受講の余裕がある方は受講することをおすすめします。

まとめ

電験三種の理論科目の「分からない」を解決する方法は、

  • 理論科目を理解するには公式の深い理解が必要
  • 理論科目はテキストの順番にこだわらず、自分が理解しやすいと感じる分野から攻める
  • 焦らずに電気数学から時間をかけて固める

以上を意識することで、理論科目の分からないを一つずつぶつしていくことが、合格への唯一の道です。

少しずつでもいいので確実に前進していきましょう。